10月の誕生石オパール七色を放つその謎は・・・ オパールは、和名を蛋白石(地上で最も多い珪酸塩)と言われ、珪酸ゲルが結晶することなく 石化した鉱物で、水分を含み宝石用のオパールの場合、約3〜10%強含まれます。 オパールを語る多くの事柄の中で、今回は七色に輝く神秘的な現象を話しましょう。 プレイ・オブ・カラー(遊色効果) 定説として、オパールが生成の際、あるいはその後の乾燥の影響によって、 内部に極微細なワレ(クラック)が生じ、光の干渉によって遊色効果が生じる説と、 またこのワレ目にわずかな屈折率の違う物質が満たされていて これが更に干渉効果を高めていると言われていましたが、 1964年以降電子顕微鏡により解明された説は、 非結晶質珪酸の球状粒子の集合から成っていて、 遊色効果はその配列粒子の格子によって光が回折され、 複雑な光のスペクトル現象、150〜300nm(ナノメーター)の粒径を持つ珪酸の球状粒子が 細密充填された規則的な配列構造を複雑に持ち、反射された光が干渉しあって、 あの素晴らしい幻想的な色合いが現れていることが解りました。 *(1ナノメーターは1/1億m) オパールの種類 オパールの種類としては、十数種類に分類されますが、良く知られている種類として ホワイト・ウォーター・ファイブ・ブラックそして、褐鉄鉱を母岩とするボルダー・オパールなど、 詳しくは又の機会に・・・ 使用上の注意 オパールは靭性に劣り、硬度もモース5.5〜6.5(2・3月号参照) 比較的にキズがつきやすい宝石の仲間です。 また微量の水分を含んでいるため、極度の乾燥はカン(ひび割れ)が入ることがありますから、 使用後は水洗いして拭き取り、ボディーオイルなどで 軽く拭き仕上げしておくのも一つの方法です。 |
黄色の宝石は、トパーズ・・・? 黄色の透明石は、30種類以上あります。 トパーズは、古くから知られている宝石ですが、間違った常識が二つあります。 『全ての黄色い透明色はトパーズ』、もう一つの説は、『トパーズは黄色い宝石』と 思い込まれている人も少なくないようです。 トパーズは確かに黄色い透明石の代表であり、 サンスクリット語のTapas(ファイアを意味する)からきているとの説もあります。 現在でも、紫水晶を加熱して黄変させた黄水晶を、 トパーズとして販売している宝石店もあるようですが、 黄水晶はシトリン(シトリン・トパーズ)、 本トパーズは(インペリアル・トパーズ又はプレシャス・トパーズ)です。 商品価値も大きく違いますから、よく確認いたしましょう。 本トパーズについて おもにブラジルで採れる多くのトパーズは水酸其トパーズその他の産はフッ素トパーズですが 多少の両成分が混合したものもあります。 ==それぞれの違い== 水酸其(OH)トパーズ おもな色=黄色・黄金色・黄褐色・ピンク色・濃ピンク色・まれに赤色 特徴=二液又は三液の液体インクルージョンの、 長いチューブ状が液膜状に分布する。 フッ素(F)トパーズ おもな色=黄色・無色・淡青色・青色・淡緑青色・褐色 特徴=よく見ると水滴状のインクルージョンが加わる。 (OH)に対して屈折率は下がるが比重は大きい。 使用上の注意 本トパーズは、黄水晶(シリトン・トパーズ)硬度5.5に対して、硬度8.0と高いが、 靭性(宝石の耐久性参照)に劣るため、衝撃に注意してください。 黄水晶は地球上で、最も多い石英と同じ硬さ、こすり傷に気をつけましょう。 |
トルコ石は、幸運と成功のシンボル プレゼントされた方が強運が訪れるとか・・・ 人類が残した最古のジュエリー、それはエジプトのピラミッドで、 ツエル女王の腕にも金とトルコ石の腕輪が飾られ、 紀元前3000年もの太古から、人の身を飾ってきた宝石の一つです。 鮮やかな青、深みを帯びた紺青、緑がかった緑青色など、 移り変わる空のように多彩なバリエーション、 水酸化銅を含む燐酸アルミニュウムで、微量の鉄分のいたずら(演出)によるものです。 産地はトルコではありません トルコ石は、トルコ産のように思われがちですが、 主な産地は、エジプト・イラン・アメリカ・中国などです。 トルコ人によってヨーロッパにもたらされた事から名付けられたと言われています。 トルコ石は、ターコイズブルーと一口に言われていますが、色調も産地によって違い、 最も上質といわれているイラン産は、鮮やかで深みのある青空色。 エジプト産はやや緑がかり、アメリカ産のものは 一般に色が淡くネット(石の表面の黒い網目模様)が 多く入っているのが特徴です。 類似品に注意 トルコ石の粉末にプラスティックやガラスを混ぜた物や、 動物の骨の化石に着色したボーン・トルコ石など 合成品やイミテーションなどそして、類似品や着色品なども多く、 ネット状のインクルージョンがあるからといって、トルコ石とは限りません。 日頃の手入れと注意点 トルコ石の硬度は、4〜6。軟らかい上に多孔質、デリケートな宝石です。 ○太陽光線などの紫外線に長時間さらされない事 色あせたり黄変することがあります。 ○トルコ石は、真珠や珊瑚などと同様、キズつきやすい宝石です。 ○果汁や汗などは染み込んで変色の原因となります。 多孔質の宝石は汚れたら洗浄不可能です。 専門店に依頼しましょう。 ○熱や薬品に弱く、自然水でも内部にしみこむと変色の原因になることがあります。 火や薬品以外は、あまり神経質になることはありませんが、不安なときはご相談ください。 |