■オパール■


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▼オパールの価値を高める遊色効果 ▼4種類のプレシアス・オパール

▼ホワイト・オパール ▼ブラック・オパール

▼ウォーター・オパール > ▼ファイア・オパール

▼オパールの持つ弱々しさが魅力に ▼スコットが描いたオパールの美


☆オパールの価値を高める遊色効果

 オパールの原石の色には、無色、黄、褐色、緑、青などいろいろとありますが、
 たいていは少し青みがかかった乳白色をしています。

 その石の中でも、虹色に輝いているものが、
 オパールという名の宝石として通用するものです。
 オパールを動かして向きなどを変えてみますと、さまざまな色に輝いて見えてきます。
 オパールが宝石としてはやや硬度に劣りながらも珍重されている理由は、
 ほかの宝石では見られない、いくつもの色が美しくきらめく独特の効果にあります。
 この効果は、プレイ・オブ・カラー、すなわち「遊色効果」と呼ばれ、
 プレシアス・オパールの名でたいへんな価値をもっています。

 遊色効果のあるなしにかかわれず、オパールそのものの地色の美しさで、
 宝石としての価値を認められているものもあります。
 しかし、一般的には、地色の美しさを基準に遊色効果の美しさを加えて、
 オパールの価値の評価がなされるのが普通です。



☆4種類のプレシアス・オパール

 価値の高いプレシアス・オパールは、遊色の色彩に関係なく、
 地色の違いによって次の4種類に分けられています。

 @ ホワイト・オパール
 A ブラック・オパール
 B ウォーター・オパール
 C ファイア・オパール

 オパールの産地として有名なのはオーストラリアですが、
 オーストラリアでは主としてホワイト・オパールとブラック・オパールが産出されています。
 これらは一般に透明度が低いものです。

 ウォーター・オパールとファイア・オパールは、主としてメキシコで産出され、
 こちらのほうは透明度の高いものが多くなっています。
 日本はオーストラリアと関係が深いため、
 その原石の75パーセントがオーストラリアから輸入されており、
 国内で研磨、加工が施されています。

<オーストラリア・オパール産地>

              <メキシコ・オパール産地>

☆ホワイト・オパール

 ホワイト・オパールは、白色、乳白色いずれからの淡い色調の
 地色を持つプレシアス・オパールで、産出量が多いために4種類のうちでは
 いちばん手に入れやすくなっています。
 わが国では、とくに「オーストラリア・オパール」の呼び名が用いられています。



☆ブラック・オパール

 ブラック・オパールは、グレーもしくは黒、濃い青の地色をもつオパールの総称で、
 黒い色のものだけを示す名ではありません。地色が暗い、
 あるいは濃い色調だあるだけに、その綾なす遊色効果もいっそう複雑で美しく、
 宝石の美を引き立てます。
 また、希少性がきわめて高く、オパールのうちでも最高品とされています。


☆ウォーター・オパール

 「水」を表すその名のとうり、ウォーター・オパールは、
 透明かそれに近い透明度の中に、生き生きと光り輝く遊色効果を見せてくれます。
 このオパールには、「メキシコ・オパール」の通称があり、
 メキシコの輸出の80パーセントが日本向けだそうです。


☆ファイア・オパール

 ファイア・オパールは、文字通り「燃える炎」さながらの火の地色を見せています。
 その地色の美しさのため、遊色効果を持たない石でも、
 ファイア・オパールとしてプレシアス・オパールに加えられます。
 これも産出量が少なくオパールの中では、非常に価値が高い宝石です。


☆オパールの持つ弱々しさが魅力に

 オパールは、ひすいとともに日本人女性にたいへん愛されている宝石です。
 その遊色のきらびやかさにもかかわらず、オパールにはもろくて、
 やわらかくて、割れやすいという特徴があります。
 華麗でありながら弱々しいという感じが魅力となって、
 ロマンチックなムードを好む日本人女性の心を惹きつけてきたのかもしれません。

 イギリスでは「悲しみの石」「涙の石」
 それに「移り気な石」として嫌われたこともありました。
 しかし、いずれにせよ、美しいがゆえのひ弱さがオパールの身上で、
 人気があるのは日本だけではありません。


☆スコットが描いたオパールの美

 オパールの美しさを見事な筆で伝えたものに、
 19世紀のイギリスの作家ウォルター・スコットの「ガイアスタイン」という小説があります。
 女主人公のハーマイアーが身につけていたオパールは、
 まるで炎のように赤く燃えるもので、
 それがハーマイアーの行動を通して生けるもののように巧に描かれています。

 ハーマイアーのヘア・スタイルは、赤褐色の髪の毛をプルーのリボンで束ねただけで、
 それを素敵なオパールのはめ込まれた止め金でまとめているのですが、
 そのオパールの虹色の変化がハーマイアーの一挙手一投足、あるいは心の動き、
 感情の抑揚などにつれて豊かな光彩を放つさまは圧巻です。

 オパールの美しさを知るうえで、一読してみられるとよいと思います。