質問 べっ甲の装飾品について
           どんなことに気をつけたら・・・



  海亀の一種で、タイマイの甲羅から作られます。
 この亀の甲羅は、中央に5枚、両側に4枚ずつ、
 周囲に25枚の屋根瓦状に積み重なった状態の角質鱗版から成っていて、
 背の甲羅が重なりあっていれば、本べっ甲で、
 石垣のような甲羅をもつアオウミガメやアカウミガメは
 和甲と呼ばれ、べっ甲の代用品として使われ価値が下がります。
 はがされたべっ甲の片は、厚みのある素材にするため、
 同質部分を積層し、特殊な方法で加熱接着して各種の装身具が作られます。

選ぶポイント

  べっ甲製品には、白甲、あめ甲、黒甲、上衣(赤褐色)、
 バラ布(斑甲といって黒斑点が入った甲)に分類され、
 日本では白甲、欧米ではあめ甲が最高とされたそうですが、
 あくまで好みで、透明感と鮮やかで美しいほど良質です。

ワシントン条約により現在捕獲禁止

  タイマイ(べっ甲亀)は、南洋諸島で捕獲されたものが高級品とされ、
 小笠原諸島付近やインドネシア・タイなどでも捕らえられてきたようです。
 ただし現在ではワシントン条約の保護動物に指定されているため、
 素材が少なくなりつつあります。

手入れと日頃の注意

  通常の破損は、修理が可能ですが、極度の温度差や乾燥によるヒビ割れは、
 修理不可能になる場合があります。気をつけましょう。
 べっ甲は、乾燥が大敵でといっても湿度40%以下の環境であれば十分で、
 あまり神経質になる必要はありません。
 大切な事は、使用後に軽く布拭きしておく程度、メガネフレームなどの場合は、
 異常に乾燥した場所や、日さらしの厳しい環境で活動される方は、注意してください。
 表面の艶がなくなってきたら要注意、
 カサつきや、ヒビがひどくなると手遅れの場合もあり、早めに専門店でお手入れを・・・


関連項目 >>>べっ甲