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▼「視力をよみがえさせられる」 ▼エメラルドの美しさのもとは内包物 ▼「エメラルド・カット」とは ▼魚も逃げ出したエメラルドの輝きの強さ ▼エメラルドの美がわからない者は… ▼希少価値のあるエメラルドの産地は? ☆「視力をよみがえさせられる」エメラルドの緑 よく「新緑の木々をじっと見つめていると、 疲れた目がたいへん休まってくる」などと言われますが、 エメラルドの鮮やかな緑の色はまさしく新緑にも似て、 人々の疲れた目を癒す効果があるような感じがします。 実際に古代のローマ人たちはエメラルドの緑に見入って、 疲れた目を休めていたといいます。 古代ローマ時代の人々の間では、エメラルドは新鮮な視力をよみがえらせる石」 と信じられていたようです。 エメラルドは、アクアマリンとともに、ベリル宝石に属しており、 緑色のものがエメラルド、海水の青さのものがアクアマリンと呼ばれ区別されています。 また、ピンク色かローズ色のものはモルガナイト、 黄色から緑を帯びた黄色までのものは、ヘリオドールという名があります。 ただ、ヘリオドールに関してはイエロー・ベリルとかゴールデン・ベリルなどの呼び名が 一般化されたために、ヘリオドールの名は、 緑を帯びた黄色の石だけに用いられるようになりました。
☆エメラルドの美しさのもとは内包物 エメレルドは緑色透明の代表とされ、 その鮮やかな色彩にちなんで「エメラルド・グリーン」という言葉も生まれています。 エメラルドは、ダイヤモンドやコランダム(ルビー、サファイア)に比べて 比重の低い宝石なので、たとえ小粒であっても 同じカラットのダイヤモンドやルビー、サファイアなどよりも大きく見える、 という特徴があります。 エメラルドには、肉眼でも見える、「モッシー」という内包物が多いために、 それがしばしば傷と見誤られがちですが、 実際には宝石の価値を損なう傷とはまったく違います。 それは、結晶が形づくられるときに必然的に内包されるもので、 むしろ天然石手あることの証拠にもなり、 エメラルドをいっそう美しく神秘的に見せるユニークな要素にもなっています。 しかし、これも程度問題で、 美しさを損なうほどであってはならないのはもちろんのことです。 ☆「エメラルド・カット」とは エメラルドはアクアマリンなどのベリル宝石は、 一般に「エメラルド・カット」と呼ばれている方式でカットされています。 エメラルド・カットは、ふつうは長方形で、ときには正方形のときもあります。 これはエメラルドやアクアマリンの結晶が六角柱のためで、 それを、効率よく美しい形にカットするには、この方式が一番ふさわしいからです。 しかし、このカット法はベリル宝石だけに限られたものではなく、 ダイヤモンドやトルマリン、水晶類のカットにもしばしば用いられます。
エメラルドにまつわる話には、いろいろな面白いものがあります。 かつて「キプロス紛争」で世界中に名を広めたエーゲ海のキプロス島−古代には、 この島の海岸に大理石でできたライオンの像が置かれていたそうです。 そして、その両眼には、立派なスマラグダス (エメラルドの古称)がはめ込まれていました。 しかし、そのエメラルドの輝きがあまりにも強すぎて海中にまで届いたために、 魚たちは恐れをなしてみんなどこかへ逃げ去り、 漁師たちが途方にくれてしまったということです。 そこで、しかたなく両眼のスマラグダスを取り出して、 代わりにほかの石を入れたということです。 その話には、エメラルドの輝きの強さを物語る逸話として、 興味深いものがあります。 ☆エメラルドの美がわからない者は・・・ 絶世の美女といわれたクレオパトラが、 ジュリアス・シーザーを晩餐会でもてなした宮殿のドアの海亀の飾り物には、 実にたくさんのエメラルドがちりばめれていたそうです。 クレオパトラは、自分の気に入った者たちに、 自分の肖像入りのエメラルドを授ける習慣があった、とも伝えられています。 いずれも、当時の学者であったルカンが書き残した話です。 ローマ時代のアントニウス皇帝の言葉に、 「ほんとうに美しくて、いくらでも欲しくてならないものは、エメラルドだけだ。 エメラルドの美しさを称賛できないような者は、 美というもののわからない愚かな人間である。」 というのがあります。 ☆希少価値のあるエメラルドの産地は? 昔、エメラルドが多量に産出されたという地域は、 今ではすっかり忘れられて、なぞに包まれたままです。 わずかに知られて現在にまで至っている産地はコロンビアの一部で、 とくに有名なものは、「ムソー」という土地名で呼ばれているものです。 ムソー鉱山は、15世紀にスペイン人が南米に侵略したときから知られていて、 石灰質の鉱脈から産出されています。しかし、リオ・ミネリオ河の流域一帯です。 そのほかの産地では、ブラジル、エジプト、南アフリカ連邦、 ウラルなどですが、コロンビアのものほど良質ではありません。 |