■ルビー■

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▼コランダムの赤い色のものだけがルビー ▼ルビーは不死鳥の生まれ変わり?

▼今では衰退してしまったルビーの宝庫


☆コランダムの赤い色のものだけがルビー

 ルビーと、サファイアは、同じコランダム宝石(同じ石という事)に属するもので、
 その主成分はもとより、宝石としての特性もまったく変わりがありません。
 ともに、ダイヤモンドに次ぐ硬度を持っています。

 コランダムはアルミナ(酸化アルミニウム)の結晶ですが、
 純粋なものは無色(純白は少ない)で、
 含まれている微成分の差によって色が違い、
 さまざまな色をした宝石に分かれます。
 そのうち、赤い色のものだけをルビーと呼び、
 あとはすべてサファイアを呼んでいます。

 ピンク色のものだけはしばしば「ピンク・ルビー」と呼ばれていますが、
 もとをただせば「ピンク・サファイア」と呼ぶべきでしょう。
 しかし、ルビーの赤とサファイアのピンクとの境目をどこで引くかは、
 むずかしい問題です。

 コランダムに含まれたクロムが、ルビーの赤い色のもとになっています。
 ルビーは、もし暗い部屋で青い光をあてたとしても、やはり赤く輝きます。
 すべての光を赤に変えて放射する、これがルビーの特徴で、
 赤をより鮮明にさせるものです。



☆ルビーは不死鳥の生まれ変わり?

 ルビーという語は、ラテン語の「赤」を意味する「ルベウス」からきており
 1310年ごろから広く使われ始めました。
 ルビーの赤い色の中でも最高なのは濃いめのもので、
 「ピジョン・ブラッド(鳩の血)」と呼ばれて珍重されています。
 それは深赤色ともいえる鮮烈な色合いで、
 まさしくルビーの面目躍如といったところです。
 しかし、ほとんどのルビーは赤がいくぶん淡かったり、
 ピンクがかったりしています。
 それだけにピジョン・プラッドの赤いルビーには希少価値があります。

 昔のヨーロッパでは、ルビーの赤は太陽の象徴と考えられ、
 それを持つ人に勇気と威厳をもたらすものと信じられていました。
 また、みなぎるばかりの生気の強さを感じさせる強烈な色合いから、
 あの不死鳥(フェニックス)の生まれ変わりともされて、
 多くの人々がルビーに熱い思いを寄せていたものでした。


  ☆今では衰退してしまったルビーの宝庫

 ルビーの合成品ができたのは、さまざまな合成石のうちでも最も早く、
 1904年にフランスのペルヌイによって成功して以来、
 いろいろな方法で作り出されてきました。
 一方、天然のルビーの産地はきわめて少なく、
 良質のものはビルマだけに産出されています。
 しかし、産出量もしだいに減っていくばかりで、
 現在ではほとんど衰退し、大きな石も出てこなくなってます。
 かつては、ビルマといえばルビーの宝庫で、
 良質で色相のよい大粒の原石が掘り出されたものでした。
 すでに述べたピジョン・プラッドは、そのほとんどがビルマ産のものです。
 その他の産地には、インド、スリランカ、
 アフガニスタン、ベトナム、タイなどがあります。