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☆「多色性」とはまったく異なった特徴 アレキサンドライトがクリソベリルの変種であることは述べましたが、 光によって色が変わるところに興越の深さがあります。 クリソベリルに属する宝石の中で、最も高価なものが、 このアレキサンドライトです。昼間の自然光では暗緑色に、 夜の電灯の光では赤色に変わるという変色性に、希少価値があります。 アレキサンドライトの特徴である変色性は、 見る角度によって宝石の色が変わって見える「多色性」とは違いますので、 混同しないようにしてください。 ☆皇帝の名にちなんで命名 アレキサンドライトは、非常に数の少ない宝石で、 アメリカやヨーロッパでもあまり出回っていません。 日本にもあることはありますが、ほとんど見かけることだできないのが現状です。 アレキサンドライトは、1831年、ソ連のウラル山中にある エメラルド鉱山で発見されました。 その日がちょうど、ときの皇帝アレキサンドル二世の誕生日であったために、 皇帝の名にちなんで、「アレキサンドライト」と命名されてという由来があります。 主産地は、その発見場所であるソ連のウラル山脈の地ですが、 スリランカでも良質のものが多く産出され、 しばしば10〜20カラットもの大石が堀り出されることもあるそうです。 また、かつては80カラットもの大石が発見されたことも記録に残っています。 アメリカ合衆国のワシントンの博物館の鉱物室には、66カラットのものが陳列されています。 ☆どこからが「アレキサンドライト」か アレキサンドライトの光による変色性のぎりぎりの線、 つまり、クリソベリルとアレキサンドライトとの境界は、 自然光のまったく射し込まない場所で決めることができます。 密閉した部屋の中で、ロウソクの光を当てて、わずかでも赤色であることが認められれば、 それはアレキサンドライトとされています。 また、ロウソクのような弱い光で変色するときの赤の色合いが、 鮮やかであればあるほど、そのアレキサンドライトは価値の高い宝石として評価されます。 しかし、その変色性は写真でとらえることはできません。 ☆発見したときの鉱夫たちの驚き アレキサンドライトを発見したときの鉱夫たちの驚きが伝えられています。 作業中にエメラルドとはまったく違う珍しい石を見つけ出した鉱夫たちは、 一日の作業を終えたあと、宿舎のテントで点検するために、 その石を明るいランプのもとにさらしてみました。 すると、拾ったときにはたしかに緑色の石だったものが、 鮮やかな赤に変わっているではありませんか。 そして、翌朝にまた太陽に当ててすかして見ると、また元の暗緑色に戻っています。 「不思議な石だ。もしかしたら、神様のいたずらかもしれない」 鉱夫たちの間で大騒ぎになり、しばらくは仕事も手につかなかったそうです。 まさしく、アレキサンドライトはドラマチックな宝石であるといえるでしょう。 |