質問:べっ甲の装飾品について
       どんなことに気をつけたら…



海亀の一種でタイマイの甲羅から作られます。
この亀の甲羅は、中央に5枚、両側に4枚ずつ、
周囲に25枚の屋根瓦状に積み重なった状態の角質鱗板からなっていて、
背の甲羅が重なり合っていれば本べっ甲で、
石垣のような甲羅を持つアオウミガメやアカウミガメは和甲と呼ばれ
べっ甲の代用品として使われ価値が下がります。
剥がされたべっ甲の片は、厚みのある素材にするため、
同質部分を積層し、特殊な方法で加熱接着して、各種の装身具が作られます。

★選ぶポイント
べっ甲製品には、白甲、あめ甲、黒甲、上衣(じょうふ・赤褐色)、
バラ布(斑甲といって黒斑点が入った甲)に分類されます。
日本では白甲、欧米ではあめ甲が最高とされてそうですが、あくまで好みで、
透明感と鮮やかさで美しいほど良質です。

★ワシントン条約により現在捕獲禁止
タイマイ(べっ甲亀)は、南洋諸島で捕獲されたものが高級品とされ、
小笠原諸島付近やインドネシア・タイなどでも捕らえられてきたようです。
ただし現在では、ワシントン条約の保護動物に指定されているため、
素材が少なくなりつつあります。

◆タイマイ(べっ甲亀)甲羅の名称◆

1 とんび
2〜4 背甲
5 止め

6・7 ふな
8〜11 おも
12・13 結び
14 つめ
白甲
★手入れと日頃の注意点
通常の破損は、修理が可能ですが、極度の温度差や乾燥によるひび割れは
修理不可能になる可能性があるので気をつけましょう。
べっ甲は乾燥が大敵といっても湿度40%以上の環境があれば十分で、
あまり神経質になることはありません。

大切なことは、使用後に軽く布拭きしておく程度、
メガネフレームの場合は、異常に乾燥した場所や
日さらしの厳しい環境で活動される方は、注意してください。
表面の艶がなくなってきたら、要注意です。
カサつきや、ヒビがひどくなると手遅れの場合もあり、お早めに専門店でお手入れを…。