質問 タンザナイトの宝石について
        ブルー・サファイアとの見分け方・・・



この石の種類は、ゾイサイト(Zoisite)に属し、従来はピンク色不透明石のチューライトと、
中にルビーを含むルビー・イン・ゾイサイト(現地名:アニョライト)緑色不透明石が主で、
おもに置物など彫刻細工に使われていました。

1967年の夏のこと、本職は洋服の仕立職人でありながら、宝石の魅力にとりつかれて山師となったマニエル・ド・スーザーは、
アフリカの高峰キリマンジェロ山の南西、タンザニアのアルシア町付近で、今までとは違う見慣れぬ青色透明石を発見しました。

この美しいブルー・サファイア色の石は、これまでの緑色不透明のゾイサイトとは違い、
その新種で透明のブルー・ゾイサイトであることが明らかにされました。
この発見は、1944年にブラジリアナイトに次ぐ、今世紀二番目の新種宝石の発見となったのです。

有名なニューヨークの宝石商ティファニーは、この美しさに惹かれ、
[タンザナイト:Tanznite]と命名し、販売に力をそそぎ世に広めたと記されています。
魅力的な特有の色彩は、世界的にも需要が広がり、現在では日本でも人気のある宝石の1つです。

タンザナイトとブルー・サファイアの違い

この石は多色性が顕著で、三色性をもち、一般的に上面(テーブル面)方向から青色、
側面方向は淡青色、又は青緑色そして別側面方向からは紫色を帯びて見えます。
ブルーサファイアは二色性で青色と淡青色であることで識別に役立ちます。
専門的には、サファイアより屈折率が少し低いことによる輝きの違い、
硬度ではダイヤの次に硬いサファイアに比べ、ほぼ水晶に近いです。
その他成分や結晶系の違いなどによるインクルージョンなどでも判別できます。

タンザナイトの品質

この鉱石は、産出のままで美しい青色をあらわす石はまれで、原石はピンク色・黄色・褐色
もしくは緑っぽい色を帯びた青色です。このゾイサイトの不純な色を除くため、
加熱処理(摂氏500度前後)が行われます。この熱処理は多くの宝石に行われていますが、
あくまで改善処理で、天然に潜在する品質を向上させることが目的です。
この処理はエンハンスメント処理の範囲と認められていますから、 価値評価の上がることはあっても下がることはありません。
ほかの天然石(コランダム等)と同様に高品質ほど希少で高価になります。

よい品質の見分け方は、明るく鮮やかで濃いブルーですが、
濃淡のブルーの煌きに紫色が加わり、特有の美しさが魅力であり特徴です。